Helsinki Lambda Club・橋本薫がソロで挑む、普遍的でナチュラルな表現──削ぎ落とした先の“人間性”にフォーカスした初作『日記』

Helsinki Lambda Clubのフロントマン・橋本薫が、初のソロ作品『日記』をリリースした。今作には、生活の細やかな描写を紡“生活の報告”や、“Setagaya”や“茗荷谷”といった橋本自身が特別な想いを抱く土地に結びついた楽曲を収録。never young beachの巽啓伍をプロデューサーに迎え、リラックスした雰囲気で制作は進められたという今作。そのムードは作品全体に滲み出ている。
『日記』のリリースを記念して、OTOTOYでは全曲ハイレゾ先行試聴会を開催。全曲試聴に加え、公開インタビューや弾き語りミニ・ライブも実施。記事の後半では当日の模様をレポート形式で紹介する。
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INTERVIEW : 橋本薫

Helsinki Lambda Clubのフロントに立つ橋本薫は、バンドの顔として輝く頼もしい存在だ。今作のソロでは一転、肩書きもすべてとっぱらい、丸裸になるように生身の自分をさらけ出している。パン屋で売られるパンが安すぎて心配になったり、人と向き合うなかでさまざまな感情を抱いたり、気のおけない友だちと楽しい時間を共有したり……。このEPに刻まれているのは、そんな生活に根づいた細やかな感情や、肌をなでる心地いい風や景色。なぜ橋本はありのままの自分を投影することを選んだのか。制作過程で何が削ぎ落とされ、何が残ったのか。ハイレゾ先行試聴会の公開インタビューでは、その過程にじっくりと迫った。
インタビュー : 飯田仁一郎
文 : 石川幸穂
写真 : 大橋祐希
歳を重ねても味が出るような、ナチュラルなものを
──今回ソロで作品を出そうと思ったきっかけは?
橋本薫(以下、橋本):ここ数年はヘルシンキ(Helsinki Lambda Club)に集中していて、「これはバンドで出す曲ではないな」と思う曲が生まれても、寝かせてしまうことが多かったんです。でも曲を溜め込むと精神的に不健康になると気づいて。僕自身はごちゃごちゃした人間なので、ヘルシンキではやりたいことを詰め込んでいるけど、それが必ずしも聴き手に伝わりやすいとは限らない。アウトプットを分けた方がそれぞれの強度も上がるし、聴く人にもより伝わりやすいと思ったんです。
──ソロではパーソナルな部分が表現されていますが、意識したことはありますか?
橋本:「溢れてくものを止めない」ことですね。曲を水に例えると、いろんなものが詰まっていると勢いが弱くなるじゃないですか。だからその道筋をきれいにして、流れをよくしたいと思うようになったんです。

──ソロで作品をリリースすることは大きな冒険でしたか?
橋本:これまでも自主制作はしてきましたが、今回は“橋本薫”名義で流通に乗せることに覚悟がありました。今後の自分の音楽人生を考えたとき、挑戦していくべきだという気持ちが強くなったんです。
──橋本さんにとって、音楽人生というのはどういうものなんでしょう?
橋本:音楽は一生続けるものだと思っていましたが、その確信が強まったというか。ヘルシンキは時代のトレンドを取り入れる柔軟さがおもしろさのひとつでもあるけど、ソロではより普遍的でエバーグリーンな表現に挑戦したいと思って。歳を重ねても味が出るような、ナチュラルなものを作りたいと思うようになりました。
──ナチュラルな方を求めていったと。
橋本:はい。僕自身はつねに自然体でいたいけど、バンドでは仮面を被ったりデフォルメがあった方が伝わりやすいし、完全に素ではいられない。橋本薫名義で極限まで素に近づいた自分を表現できたら、バンドでは逆にもっと足していったりいろんな挑戦ができると思ったんです。感覚がプリミティブになっていくというか、削いで最後に残った人間性に今はフォーカスしたい気持ちなんですよね。
──マインドの部分が重要なんですね。
橋本:そうですね。マインドは目に見えないから伝わりにくいですけど、自分にとってはすごく大事な部分です。
──今回ソロを作る上で参考にした作品はありますか?
橋本:今回は明確にあって、ひとつはマック・デマルコの『Five Easy Hot Dogs』(2023年)です。彼が縁のある土地を巡りながら作ったアルバムで、土地と表現が強く結びついているように感じ、心が震えました。もうひとつはユース・ラグーンの『Heaven Is a Junkyard』(2023)。これはボロボロの状態から8年ぶりに奇跡的に復活したアルバムなんですけど、「それでも作品を作りたい」というエネルギーに感動しました。最近は、とにかく本気で作られたものに心を打たれることが多いです。
──なるほど。“Setagaya”と“茗荷谷”のような地名がタイトルの曲は、マック・デマルコの作品から着想を得たんですね。ジャケットのアートワークはどのように制作したんですか?
橋本:僕が撮った写真に市川絢菜さんの絵を重ね、文字やデザインは岩本実里さんが担当してくれました。新しい人に頼むのではなく、信頼できる仲間と一緒にコミュニケーションを取りながら作ることもテーマのひとつでした。
写真は茗荷谷のとある公園で撮ったものです。オーバープロダクションをなるべく避けて、今の自分の現在地を確かめて、そこからまたステップアップしていきたいという気持ちも込めました。
──レコーディング環境やプロデュースは?
橋本:〈hmc studio〉で、エンジニアはヘルシンキでも録ってくれている池田(洋)さんにお願いしました。プロデューサーにはnever young beachの巽(巽啓伍)を迎えて、お互いの家を行き来しながら宅録で下地を作りました。今回はリラックスしたフィーリングのほうがこの作品に合っていたし、そこで生まれたテイクを使うこともありました。
──なぜ巽さんにお願いしたんでしょうか?
橋本:友人として自然に楽しめる相手だからです。お互いに年齢を重ねて生活スタイルが変わっていく時期なので、今回みたいにがっつり濃密に音楽を作る時間は、死ぬ前に思い出せるような、一生の記憶になるだろうなと思って。












































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































