今もっとも危険なバンド・自爆の中枢へ──“一つ目のヘルメット”が象徴するロックンロールと反逆の精神
自爆というバンドを知っているだろうか。赤く充血した一つ目のヘルメット、その強烈なビジュアルを目にしたことがある人もいるかもしれない。SNSにパフォーマンスを投稿し続けていたササキ(Vo./Gt.)のもとに仲間が集い、2023年8月に始動。DIY精神を武器に自主企画を連発し、その名は瞬く間に全国へ広がった。〈FUJI ROCK FESTIVAL ’25〉のROOKIE A GO-GO出演をはじめ、〈ボロフェスタ2025〉〈PSYCHIC FES 2025〉では入場規制。すでに“事件”の中心にいる。今もっとも目が離せないバンドだ。今回、メンバー全員へのインタビューが実現した。ロックンロールに賭ける信念、初アルバム『大衆に告ぐ』に込めた思い、そして12月17日(水)に渋谷クアトロで開催するワンマン・ライブ〈自爆宣言〉の先に据えた「ある目標」とは。そのすべてを語ってもらった。
自爆 初ワンマン・ライブ〈自爆宣言〉
チケット残り僅か!! 自爆の一挙手一投足を見逃すな!!!
2025年12月17日(水)
渋谷 CLIB QUATTRO
OPEN 18:15 / START 19:00
一般チケット:¥4,000
学徒割(U-25):¥2,000
チケット:https://eplus.jp/sf/detail/4365330001
早くて踊れるロックンロール × 情念むき出しの歌詞 = 自爆。
これまでのすべてを詰め込んだファースト・アルバム!
INTERVIEW : 自爆
インタビュー : 飯田仁一郎
文 : 石川幸穂
撮影 : 服部恭平
「議論を避けたがる最近の若い子って何なんだ?」
──「自爆」というバンド名の由来は?
ササキ(Vo./Gt.):幼馴染でベースをやっていた奴とギターを手伝ってくれてた奴と3人でドライブしていたときに、「いいバンド名が出るまで今日は帰らない」と無理やり捻り出したのが「自爆」です。そいつは初ライブ前にやめちゃったんですけど。
──ヘルメットの一つ目にはどんな意味が?
ササキ:実はあれ、2ちゃんねるの「ポストに変な手紙が入ってた」という有名なスレが元ネタで。前の居住者宛に届き続ける謎の手紙に描かれていた目玉のイラストと、ローリング・ストーンズの唇の意匠を組み合わせたデザインです。特に深い意味はないですね。
──みなさんの加入経緯は?
武田ガンジー(Ba.)(以下、ガンジー):サポートのベースが初ライブの1ヶ月前に辞めてしまって、俺が呼ばれたんです。会ったこともないのにササキから急に電話かかってきて、「ベースがいなくなっちゃって。いける?」と。もともとササキのことはTikTokで見かけて面白そうな奴だなと思ってたんですよ。その数日後に初めて会って意気投合し、入ることになりました。
──ササキさんのことはTikTokで知ったんですね。
ガンジー:今回のアルバムにも入っている「未来はない」をササキがひとりで歌ってる動画をみて、セックス・ピストルズを連想させるようなワード・センスと、往年のパンクとは違う新しさが共存しているところに惹かれました。
──汚駄物さんは?
汚駄物(Dr.):僕はササキの大学のサークルの後輩で、ド直球に「俺とバンドをやらないか」と誘われました。
ササキ:「君の髪の毛を絶対に切らせないから」ってガンジーとしつこく誘いました。
汚駄物:就職したら短くしないといけないけど、「髪を長いままでいさせてやるよ」という意味だと理解しました。
──髙松名人は?
髙松名人(Gt.)(以下、名人):もともとは自爆の客で、物販のヘルメットを最初に買った人間でして。僕もTikTokでササキの路上動画を見て異質な空気に惹かれたんです。ヘルメットを被るパフォーマンスにも、ザ・タイマーズや神聖かまってちゃん的なアティチュードで面白いなって。
その後SNSでつながって議論するようになり、ライブに毎回行くようになり、スタッフを経てマネージャーに。2023年12月にギターが急遽出られなくなったときにサポートとして声がかかり、そのまま加入しました。
──みなさん変わった名前ですが、由来は?
ササキ:僕は本名ですね。
ガンジー:「武田ガンジー」はフリーペーパーに寄稿していた学生時代のライターネーム「ガンジャマン」から来ていて、友人に「ガンジー」と呼ばれるようになり、そのまま使ってます。「髙松名人」の髙松は苗字で、それに妖怪の名前をつけたらいいと俺とササキが言っていたんですよ。
ササキ:僕は「河童」がいいと思ってたので電話で3時間説得してたんですが「絶対に嫌だ」と。彼は「天狗にする」と言って最初は「髙松天狗」でしたが、1ヶ月くらいしたら「名人」へ変わってましたね。
──問題作、「汚駄物」は?
汚駄物:最低な名前がいいと思って、もともとある単語と漢字を組み合わせました。パッと思いついたのが「汚駄物」。
──それぞれ、ルーツの音楽は?
ガンジー:僕は中学の頃からパンクです。高校・大学でいろいろジャンルを広げていった感じですね。
汚駄物:僕はメタルですね。インスト・メタルばっかり聴いていて、流行りはからきしわからなかったんですよ。大学サークルでようやく知り始めてく感じでした。ドラムは小6から。
名人:僕はもっぱら邦楽ですね。
ササキ:3歳からサーフロック、親が好きだったビートルズやシカゴを聴いて育ちました。高校でCCR(Creedence Clearwater Revival)や(ローリング・)ストーンズに出会い、大学で軽音に入ってからは、モテたい気持ちでモダンな音楽をやってみましたが全然肌に合わなくて。そこで「昔好きだったような音楽のバンドをやろう」と決めました。
──自爆のサウンドからはパンクやロックンロールに加え、学生運動的なモチーフを感じます。
ササキ:僕自身が左派的思想を持っていて。ただし暴力革命を肯定したいわけではなく、「新しい形をつくりたい」という思いが根底にあります。自爆の象徴であるヘルメットも、その意志の表れです。
詳細を話すと、「民主主義の奪還」という考えが自分の中にありまして。日本は黒船来航以降、自らの意思で政治を扱ってこられず、戦後の民主主義も結局は「与えられたもの」だったという実感がある。今もアメリカの傀儡国家的な状態から抜け出せていないのではないかと僕は捉えています。
──その考えに至った背景は?
ササキ:感覚的な部分が大きいですね。19、20歳の頃に「最近の若い子って何なんだ?」ということを考えたんですよ。議論を全然しないよな、と。何か意見すると「熱くなるなよ」と茶化すノリがすっげー嫌いで。当時の学生運動のように、真剣に議論し文化をつくり出していた時代への憧れが強くなったんだと思います。
──現代において理解し難い価値観は?
ササキ:個人責任論や、資本を持つ人間を「イケてる」とする価値観、排外主義、競争を前提にした社会には疑問を持っています。
──こうしたササキさんの姿勢に、メンバーのみなさんはどう反応していますか?
ガンジー:賛同する部分もあれば、そうでない部分もありますね。
名人:学生運動には文化運動としての価値があった。生活圏を自分たちでつくり主張を実践し、そこに音楽や美術が加わって文化が生まれる。僕はその精神からアメリカのヒップホップ文化に通じるものを感じるんですよね。そして、今改めて提示する意味があると。自爆をやるうえで大切にしている視点です。












































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































