2026/01/31 18:00

REVIEWS : 114 R&B(2026年1月)──R&B Lovers Club(Cookie、つやちゃん、アボかど)

"REVIEWS"は「ココに来ればなにかしらおもしろい新譜に出会える」をモットーに、さまざまな書き手がここ3ヶ月の新譜からエッセンシャルな9枚を選びレヴューする本コーナー。今回はR&B偏愛&紹介ポッセ、R&B Lovers Clubより、Cookie、つやちゃん、アボかどによる、現行のR&Bのエッセンシャルな新譜9枚のレヴューをお届けします。


OTOTOY REVIEWS 114
『109 R&B(2026年1月)』
文 : R&B Lovers Club(Cookie、つやちゃん、アボかど)

Grimm Lynn 『Fire&Smoke』

〈Lovers Club Records〉という、どこかで聞いたことのある名前のレーベルで活動しているアトランタのグリム・リン。レーベルに掲載されているバイオグラフィーには「シンガー / ソングライター / ラッパー / クリエイター」とあるが、本作ではラッパーとしての側面を抑えた繊細なR&Bを聴かせる。生演奏を活かしたジャズにも接近するサウンドだが、ネオソウルと呼ぶにはヒップホップ要素は控えめ。そこに溶け込む美しいファルセットは、R&B愛好家のみならず優しい歌モノを求めている全リスナーにアピールし得る魅力がある。なお、ストリーミングではわかりづらいがサイドA / Bに分かれており、5曲目で一区切りとなる。(アボかど)

Jae Stephens 『TOTAL SELLOUT』

ジェイ・スティーフェンスは2010年代後半から活動を本格化させたダラス出身のシンガー。本作は2024年のEP「SELLOUT」をディスク3、2025年のEP「SELLOUT II」をディスク2として結合し、さらに新曲4曲をディスク1として追加した変則デラックス・エディションのような作品だ。軸はデスティニーズ・チャイルドあたりを思わせる、1990~2000年代メインストリームR&Bの華やかでダンサブルなエッセンス。冒頭を飾る2000年代美メロR&B×ニュー・ジャック・スウィングみたいな「Boyfriend Forever」からR&B Loversは悶絶必至だ。セルアウトと言いつつ趣味全開な一枚。(アボかど)

Moniquea 『Womp In My Spirit』

LAのモダン・ファンク職人、XL・ミドルトンのレーベルである〈モーファンク・レコーズ〉に所属するシンガーのモニカ。メイン・プロデュースはもちろんXL・ミドルトンが担当し、ブリブリのベースとうねるシンセで真冬でもLAの景色が浮かぶようなファンキーなサウンドに仕上げている。外部プロデューサーのベス・ケプトとドクター・マッドの作風も大きくは変わらないものだ。モニカはその音に乗って実に楽しそうに歌い上げ、時には1990年代の西海岸ラッパーのようなラップも披露。ラストに収録された1997年Gファンク風のリミックスもその旨味を強調している。ヒップホップ経由のPファンク回帰の旨味をたっぷりと味わえる一枚だ。(アボかど)

[連載] 2BYG, Aya Nakamura, Jae Stephens, アリ・レノックス, サマー・ウォーカー

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