2026/01/16 18:00

フランス語という選択が引き受ける「マイノリティー性」

――今回は和田さんの言葉についてもお話を伺いたいと思っています。和田さんの今の肩書って「詩と言葉のアーティスト」ですよね。歌ではなく、詩と言葉を重視しているということなのでしょうか。

和田:そうですね、気づいたらずっと詩を書いてますね。歌はそんなに好きじゃないし、歌に自分の価値をあまり見い出せなくて。あと、自分の声自体がすごくいいなと思っていて……すいません、自分で言うのも恥ずかしいんですけど(笑)。

――いやいや、僕もすごくいいと思いますよ。

和田:ありがとうございます(笑)。このバンドでは自分の声自体がひとつの楽器みたいにありたいと思っていて。メロディーを歌うのではなく、同じ言葉を繰り返してリズムを作り出したり、そういう表現を試みています。

あと、この世界に違う視点を示すという意味でも、言葉は自分にとって大切なものなんです。自分のことをメッセージを伝える側に立つ人間だと思ってるので、そういう意味でも今は「詩と言葉のアーティスト」という肩書きにしています。

――これはちょっと気になっていたことなんですけど、ソロの初期からフランス語を使っていますよね。和田さんにとってフランス語はどのような表現方法なんでしょうか。

和田:一番最初はフランス語圏のアート・イヴェントに出たいなと思っていて、向こうと繋がるためにフランス語で書いてたんです。フランス語ってひとつひとつの短い音が繋がるので、音節が長いんですよ。

――連音化ということですよね。

和田:そうですね。日本語はどうしても平坦なんですよ。一音に対して一個の言葉か、または繋がりのいい言葉しか入れられないんですけど、フランス語は一音にひとつの単語を入れられるんです。一音で一単語入れば、意味がそれだけで通じちゃう。そこがおもしろいんですよね。

あと、私がフランスにいたからなのかもしれないけど、フランス語で言葉を書いていると、石畳の街とか人が楽しんでる川辺の風景をすごく思い出すんです。そういう開けた感覚がLOLOETに合ってると思っていて。 日本語に当てはめると、やっぱり東京の景色が思い浮かんでくるんですよ。 石畳とは違う、アスファルトとコンクリートの響きというか。

――環境によって言葉の響きが変わってくるというのはおもしろい話ですね。それもまた「環響音」ってことですもんね。

和田:そうですね、確かに。

――もうひとつ聞きたいのは、フランス語で書く、あるいはフランス語で歌い、詩を読むという行為は、和田さんにとって別の何かになるような感覚なんでしょうか。あるいは日本語では表現できないこともフランス語だとできる?

和田:完全に前者です。「何者かになる」っていう感覚ですね。何者かというのは、「自分が外国人になる」という感覚だと思います。この国で日本人が日本語を話していたら、マジョリティーの立場になるわけですけど、フランス語を使うことでマイノリティーの立場になるんです。フランス語圏では私も外国人としてフランス語を学び、片言で喋ってるけれど、そこに価値があると思っていて。学んだ言語を自分から話すことに価値があると思うんですよ。

――みずから言語的なマイノリティーになっていく。

和田:そうです。それは日本に住んでいる外国の方々が日本語で生活をすることに意味があるのと同じことだと思うんですよ。私がフランス語を使い続けるのは「かっこいいから」とか「雰囲気がいいから」じゃなくて、そこに意味と意義があるからなんです。

――最後の質問です。2月には渋谷のWWWでワンマン・ライヴがあるわけですが、ワンマン・ライヴは初めてなんですよね?

和田:そうですね。いつも30分ぐらいで終わっちゃうことが多いので、今回は長すぎるぐらい長くやります(笑)。1時間半から2時間くらい演奏できるので、ひとつの世界を作りたいと思っていて。今みんなでその構想を組み立てている段階で、めちゃくちゃ楽しいんです。

――没入感のあるWWWの空間にLOLOETの音は合いそうですね。僕も遊びに行きます!

全員:ぜひぜひ!

編集 : 石川幸穂

静かに重なり、波紋のように広がる音の世界
LOLOETのファースト・アルバム『環響音』


ライブ情報

LOLOET 1st ONE MAN SHOW 「うめ かおる ころ」

2026年2月27日(金) @渋谷WWW

OPEN 18:00 / START 19:00
ADV. ¥4,000 / DOOR ¥4,500
30歳以下:¥2,000
学生(大学院生含む):無料
※ドリンク代別

チケット:
e+ / ぴあ【P:304-284】 / ローソンチケット【L:72775】

--------------

nevv you × DREAMWAVES presents
cosmic eyes perspective - softsurf “Gazing at a Mind” Release Party

2026年1月18日(日)
@下北沢THREE

出演:
[live]
softsurf
LOLOET
AprilBlue / エイプリルブルー
2beef

[DJ]
Kantaro Kometani

Open 18:15 / Start 18:45
Ticket ¥3,400 (+1 drink)
U-22 Discount ¥2,400 (+1 drink)

チケット:
https://tiget.net/events/441670

--------------

NIGHT ON THE PLANET!presents
濃縮GIG -ニシジョウ 生誕祭-

2026年1月24日(土)
@新宿LOFT BAR

出演:
LOLOET
リンダ&マーヤ+和田シンジ
永原真夏バンド
ヤスエでんじゃらすおじさん(BAND)

フード:
はぷキッチン(THAうちあげ)
139 (ドン・マルティネス)&まんぼう(after20時)飯

OPEN 23:30
ADV. ¥4,400(3Drink込) / ¥3,800(1Drink込)

チケット: https://tiget.net/events/449768

--------------

2026年1月25日(日)
@Waseda RiNen

出演:
Yuma Takeshita
LOLOET
Vendège (France)

OPEN 12:00 / START 12:30
ADV ¥2,500 / DOOR ¥2,800 / STUDENT ¥1,300
※ドリンク代別

チケット: 予約フォーム

LOLOET のほかの作品はこちらから

PROFILE : LOLOET

2023年、日本のアイドルのひとりであった和田彩花がパリ留学中、より自由な音楽表現を 求めて東京のミュージシャンたちと LOLOETを結成。パリでのフィールド・レコーディング や東京でのスタジオ・ワークを重ね、2023年10月、初の楽曲『SŒUR』を発表。続いて、 和田が帰国後の2024年3月、「une petite pensée」を自主レーベルよりカセットテープと配 信にてリリース。さらに 2025年5月には、シングル『ELLE』をアナログレコードでタフビーツよりリリースしている。関係し合いながらめぐり、ひびく「環響音」をテーマに、禅や祭祀から影響を受けたアンビエントドローン、DUB、実験音楽、環境音楽、即興演奏などを取り入れたオルタナティブな音楽性で、ライブハウスのみならず、本屋、美術館、アートスペースなど場所を選ばず活動している。

■Official Site : https://www.loloet.com/
■X : @LOLOETband
■Instagram : @loloet.band
■YouTube : @LOLOET.band2023

この記事の編集者
石川 幸穂

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