ラップ自体も、ラップする自分も好きになりました
──3曲目の“Winter Snow”はタイトルの通り、冬をイメージした曲ですね。
らら : この曲ははじめてライヴで披露したときから、すごいウケがよくって、「好き」って言ってくれる方が結構いますね。
──ららさんの“極暖ヒートテックまじ感謝”のところが僕は好きです。
らら : 極暖は本当にあったかいんですよ。 ”極寒”、”温暖”、”極暖”って韻を踏みたかったんです。
──確かにかなり踏んでますよね。ひなさんのパートは、ご自身で書かれたんですか?
りるひな : いちこちゃんに書いてもらいました。サビのメロディーもそうですね。これは全体的にいちこちゃんが活躍してる曲になってます。
いちこ : パートを考えるときに、ひなちゃんがラップするのを想定して、ちょっとかわいくしました。
りるひな : 仮歌はいちこちゃんが作ったんですけど、そのときはちょっと落ち着いた感じだったんですよ。でも、いざレコーディングに向かったらかわいくなっちゃった。
いちこ : 「ひなちゃんが歌ったらこんな感じになるんだ!」って思いました。自分が作詞した曲を他の人がラップするのっておもしろいんですよね。いい感じでその人の味が出るから。
──そして最後の“カラフル”。この曲はこれまでのことを歌ったような歌詞ですね。
いちこ : これまでのO'CHAWANZのいろんな曲から“ホシノフルマチ”とか、単語を引用してもらった曲です。それを探すのもおもしろい曲ですね。
らら : O'CHAWANZのデビュー曲は“オツカレサマ”っていう曲なんですけど、その歌詞のなかに”下を向いてると見えないカラフル”っていう歌詞があるんですよ。それで、「1st Generationの最後の曲に”カラフル”っていうのを持ってきたのが染みる」って気づいたお客さんがいて。「なるほど!」って思った。
りるひな : 私は楽曲には参加してないんですけど、MVには出演してます。
いちこ : O'CHAWANZのMVの主演女優として(笑)。
りるひな : ファンとして聴いているみたいな映像になっているんですけど、最後のサビの部分で3人集まってるシーンがあって、涙出そうになった。O'CHAWANZの思い出に混ざれたんだって感じがして。
いちこ : 私、この曲はライヴでやるとき泣きそうな気がするんだよね。“これまでの道も これからの道も”っていうところが自分のパートなんですけど、ここはきっとやばいだろうなって。
りるひな : 私、ステージ立ってなくても泣いてると思う。O'CHAWANZのメンバーのいままでを詰め込んだような感じだから、色々フラッシュバックしていくと思う。
──でもO'CHAWANZさんの曲は、泣かせにかかる曲多いですよね。
いちこ : 結構 “オツカレサマ”とか“ハルカゼ”でも泣いちゃいそうになるんだよね。
──このアルバムをリリースして、3月25日のワンマン・ライヴが1st Generationとしてのラストなんですよね?
らら : 一区切りです。1st Generationってカウントしてたんだって、全然知らなくって(笑)。
──これ今日絶対訊こうと思ってたんですけど、ららさんがラップについて、ふせったーを使って自分のラップに対する熱い想いを書かれていたじゃないですか。すごく染みる話だなと思って読んでたんですけど。実際はどういう想いで書いたんですか?
らら : あれはMETEORさんと一緒にライヴした日に書いたんですよ。"THIS IS MY STYLE feat. METEOR"を一緒に作ったから「どこかで一緒に披露したいね」ってなって。恵比寿のTimeOut Cafe&Dinerで一緒にやったんですけど、それが本当に嬉しすぎて、その気持ちをまとめようと思ったら、めっちゃ長くなっちゃって(笑)。
──すごく良い文章でしたよ。
らら : つぶやいた後、ぽけーっとテレビとか観てたら、全然知らない人からいいね! とか、リツイートがいっぱいきてて。「なんでこんなに広まったんだろう?」って思って見たら、吉田豪さんがリツイートしてたんですよ。「これだ!このおかげだ! 」って思って。そしたら秋元才加さんからもいいね! がきて、すごく嬉しかったです。今夜夜ご飯の食卓とかで「そういえば、これ見た?」とか話してくれるかなとか想像して(笑)。

──(笑)。ちょっと難しい質問だと思うんですけど、おふたりにとって“O'CHAWANZ”ってどういうものですか?
いちこ : 難しいな。私、軽い気持ちでオーディション受けたんですよ。ノリで入っちゃったようなものだし。私がいままで自分がやってたアイドル活動と全然ライヴのスタイルも違ったんですよ。お客さんとも掛け合いしてるし。そんなライヴをはじめて体験したから、ずっと楽しかったです。ラップに全然興味がなかったし、めちゃくちゃ好きってわけじゃなかったけど、この4年間くらいでラップ自体も好きになったし、ラップする自分も好きになりました。
──O'CHAWANZを通して、ラップを好きになれた?
いちこ : 好きになったかな。昔はlyrical schoolさんとか観に行ったりとかしていたんですけど、結構ラップをやるアイドルって勢いあるイメージだったんですよ。でもO'CHAWANZって、いかついのもあるけどほんわかしたのもある。楽しいもある、おもしろいもある、ちょっと怖い雰囲気のもあるし、本当にオールマイティにできるグループだなと思って。それがほんと飽きなくて楽しいグループだなと思います。メンバーの個々のスタイルとかも違うから、それもよく出てる気がする。それは自分で作詞してるのも大きいと思うし、それぞれのいいところが出てるから、それを観るのもお客さん楽しいのかなって。
──ありがとうございます。ららさんにとってO'CHAWANZとはどういうものですか?
らら : O'CHAWANZに入って、すごく成長ができたなって思いますね。O'CHAWANZの前までは、自分から出力する感じのことがなかったから、あんまり自分が育ってるような感覚はなくて。でもO'CHAWANZになって、自分で色々考えたりとかするようになったし。自分で作詞をするって機会を与えてもらったから、自分がやってることに対してこんなに楽しめるようになったなって思ってます。
いちこ : ひなちゃんが、めっちゃ頷いてる(笑)。
りるひな : 結構話聞いてると共感できること多いんですよ。
らら : そうだよね、わりとなんか似てる気がする。私がO'CHAWANZ入る前のグループの感じと、ひなちゃんのグループの“目でも殺す”みたいなところは確かに似てるかもしれない。
りるひな : そうそう。私はO'CHAWANZの良さって、”ハンドメイド感”なのかなと思っていて。個々が立つ感じもいいし、観てる側も「今回は、この子たちがどうするんだろう?」っていう目で見れる。グループだとやっぱり塊で見られることが多いなかで、ひとりひとりにすごく魅力があって。みんな自分で歌詞書いてたりしてすし、そのハンドメイド感を見るのが好きでした。サポートとして参加しながらO'CHAWANZの魅力にも気づけたし、それでなんかずっと頷いちゃった。
らら : ありがとう(笑)。いままでのことも全部O'CHAWANZになるためにあったのかなって思うぐらい、私はO'CHAWANZが気に入ってます。O'CHAWANZをやってよかったです。

編集 : 平石結香莉
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O'CHAWANZ ディスコグラフィー
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LIVE SCHEDULE
〈O'CHAWANZ 1st Generation ラストワンマンライブ「No Time To Die」〉

【公演日時】
2022年3月25日(金)@clubasia
open 18:30 /start 19:00
PROFILE : O'CHAWANZ

2017年より都内のアイドル現場を中心に活動する文化系ヒップホップユニットO'CHAWANZ。メンバーは、しゅがーしゅらら・いちこにこ。自らリリックを手がけるクレバーな3人の適度な緩さと不意に飛び出すシュールさがオリジナリティとキャラクターをつくり出している。リアルともファンタジーとも捉えられる独自な視点と力み過ぎないリリックをドープなビートからキャッチーなトラックに軽やかに乗せていく音楽スタイルは、ヒップホップやラップに馴染みがないリスナーにも聴きやすいPOPさを醸し出す。
>>O'CHAWANZ 公式HP
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